経理担当者にとって、とても身近な存在の「法人税」ですが、実は計算のしかたやしくみを理解できておらず、不安に感じている方も多いようです。本セミナーでは、経験が浅い方にもわかりやすいよう、法人税に関する基本的な知識や計算の手順、申告書の概要について、実務におけるポイントを確認しながらやさしく解説します。法人税に関する知識が浅い方や、法人税の体系的な理解を目指す方に最適な入門講座です。
▲セミナーの様子
法人税は、会社が得た利益に対して課される税金ですが、その税務は複雑でわかりにくいというイメージを持っている方が多いようです。というのも、私たちが普段目にしている会計上の「収益」「費用」「利益」といった言葉は、税法上はそれぞれ「益金」「損金」「所得」といって、必ずしも会計上の数字と一致するものではないため、税務の知識が浅い方はとまどってしまいがちなのです。
たとえば、法人税率を30%とした場合、税引前当期利益が3,000万円の会社の法人税額が900万円である、といえば、どなたでも疑問を抱くことなく理解できるでしょう。しかし、同じく税引前当期利益が3,000万円で、法人税額が3,200万円になるというケースはどうでしょうか。ここには、会計上「費用」として扱われる「役員賞与」や「交際費」が、税法上は「損金」と認められないため、税引前当期利益にこれらを足し戻した額が税法上の利益である「所得」となり、それに対して法人税が課税されることになる、というからくりが隠されています。
このケースでは、「役員賞与5,000万円」と「交際費2,666万円」を足し戻して計算し、
(3,000万円+役員賞与5,000万円+交際費2,666万円)×法人税率30%≒3200万円
ということになり得るのです。 今回講師を務めていただいた税理士の今村仁先生によれば、「こういった会計と税務の考え方の違いが、法人税理解の難しさであり、最も重要なところでもある」といいます。
セミナーでは、「益金不算入」「益金算入」「損金不算入」「損金算入」という4つのキーワードを挙げながら、交際費や寄附金、役員給与といった重要論点を詳しく解説していただきました。
また後半では、減価償却と税額控除、貸倒損失についても、それぞれの仕組みや税務におけるメリットなどを、ポイントを整理して解説いただき、大変実務的な内容となりました。
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