【2019年2月開催】 実務セミナー
判例から学ぼう! 管理職に求められるハラスメント対策
会社内のハラスメントは、受け取る人によって判断基準が異なり、どこからがハラスメントになるかの線引きが悩ましい事案です。とはいえ、人材の流出、損害賠償、風評リスク等を防ぐためにも対策を講じることは必須です。
裁判例を取り上げながら、社員みんなが共有できる判断基準に則った対策を探ります。
2019年2月13日(水) 13:30~16:30
講師:今津泰輝氏(弁護士) 米国を本拠地とする大規模ローファームを経て、今津法律事務所(現弁護士法人今津法律事務所)を開設。著書に『なるほど図解 会社法のしくみ』(中央経済社)などがある。
講師:坂本敬氏(弁護士) 平成27年1月弁護士登録、同月今津法律事務所(現弁護士法人今津法律事務所)に入所。
○企業が抱えるハラスメントのリスクとは
人材流出、損害賠償、生産性の低下など
○どんな行為がハラスメントと見なされるか
ハラスメントに該当しない場合とは?
おおよその線引きはどこになるか
○判例からみるハラスメントの判断ポイント
いくつかの裁判例を見ながら判決の根拠を参考にする
どのような理由でハラスメント認定されるのか(されないのか)
○ハラスメント対策の運用方法
指針・規程の作成
相談窓口を設置・運用
相談を受けた後の企業対応の注意点
▲セミナーの様子
「セクハラ」や「パワハラ」に代表される「ハラスメント行為」。被害者となる従業員はもちろん、企業にとっても、イメージダウンや人材の流出、損害賠償による損失など、大きなリスクをはらんでいます。本セミナーでは、弁護士の今津泰輝氏、坂本敬氏のお二人にご登壇いただき、「セクハラ」と「パワハラ」について、その定義や判断のポイント、会社としてとるべき対応を、近年の判例を取り上げながら解説いただきました。
セクハラについては、その判断基準として、「平均的な女性労働者・男性労働者の感じ方」を基準とすることが法律上定められていますが、今津先生によれば、実際のところ、相手との関係性や言動が行われた状況など、様々な要素が総合的に考慮されるため、その判断は非常に難しいといいます。セミナーでは、「異性の同僚を食事に誘ったらセクハラになるのか?」といった身近な具体例や判例を用いて、どういった言動がセクハラになりうるのかを探りつつ、会社として従業員へどう呼びかけるべきなのか、注意喚起のコツを解説いただきました。
また、パワハラについては、「身体的な攻撃」、「精神的な攻撃」、「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」といった6つの典型的な行為類型を挙げてそれぞれを具体的に解説いただきました。
なかでも、もっとも判断が悩ましいという、「どこまでが適法な指導で、どこからが精神的な攻撃になるのか」という論点については、適法とされたケース、違法とされたケースなど、多くの判例を挙げて詳しく紹介していただき、参考になったという声も多数聞かれました。
さらに後半には、相談窓口の設置・運営のコツや、事実確認のしかた、その後の対応のポイントについても具体例を挙げながら解説いただき、ハラスメント対策に取り組む足がかりとなる講義となりました。
判例をベースとしたわかりやすいセミナーの模様は、お手元のDVDまたは【セミナー動画配信】でご覧ください。
(DVD収録時間:2時間41分54秒)