就業規則は「会社の基本理念」に沿って作られているか?
マイナンバー制度の導入や労働関連法の改正などを機に、ここ数年の間に就業規則の見直しを行った、あるいは見直しを予定している会社も多いのではないでしょうか。
法改正の動きにアンテナを張り、必要に応じて就業規則を見直すことは、総務担当者の重要な仕事のひとつです。
ところで、就業規則について考えるとき、最も大事なことは何だと思われますか?
法律に則っていること。
問題社員や労務トラブルの発生を防ぐ内容になっていること。
もちろん、こうしたことも必要ですが、何よりも大事なのは、
「会社の基本理念を念頭において作られていること」
であると、筆者は考えます。
ですので、お客さまから就業規則の作成を依頼されたときはいつも、まず、その会社の基本理念についてうかがうことにしているのです。
大企業のホームページなどを見ると、多くの企業が「経営理念」あるいは「コーポレートアイデンティティ」といったページを用意しています。そこには、顧客や株主に向けて、その会社が「何のために・何を目指して」事業を行うのかという理念が、高らかに謳われています。
しかし残念なことに、一方で高邁な理念を謳いながら、実際には社員に長時間労働を強いたり、顧客に粗悪な商品・サービスを提供していたり、地域社会への説明責任を果たさなかったりする企業が後を絶ちません。
どうしてそんなことが起きるのでしょうか。
おそらくそうした企業では、会社の理念が〝絵に描いた餅〟になってしまっているのだと思われます。それでは、理念を掲げる意味がありません。
会社の理念が「絵に描いた餅」にならぬように努めることこそ、総務の大事な役目です。
就業規則はもちろんですが、社長の訓示から役員が社員に命じる指示に至るまで、会社が発信する情報が「会社の理念」に沿っているものかどうか、常に確認する努力を続けていただきたいと思います。
法改正の動きにアンテナを張り、必要に応じて就業規則を見直すことは、総務担当者の重要な仕事のひとつです。
ところで、就業規則について考えるとき、最も大事なことは何だと思われますか?
法律に則っていること。
問題社員や労務トラブルの発生を防ぐ内容になっていること。
もちろん、こうしたことも必要ですが、何よりも大事なのは、
「会社の基本理念を念頭において作られていること」
であると、筆者は考えます。
ですので、お客さまから就業規則の作成を依頼されたときはいつも、まず、その会社の基本理念についてうかがうことにしているのです。
大企業のホームページなどを見ると、多くの企業が「経営理念」あるいは「コーポレートアイデンティティ」といったページを用意しています。そこには、顧客や株主に向けて、その会社が「何のために・何を目指して」事業を行うのかという理念が、高らかに謳われています。
しかし残念なことに、一方で高邁な理念を謳いながら、実際には社員に長時間労働を強いたり、顧客に粗悪な商品・サービスを提供していたり、地域社会への説明責任を果たさなかったりする企業が後を絶ちません。
どうしてそんなことが起きるのでしょうか。
おそらくそうした企業では、会社の理念が〝絵に描いた餅〟になってしまっているのだと思われます。それでは、理念を掲げる意味がありません。
会社の理念が「絵に描いた餅」にならぬように努めることこそ、総務の大事な役目です。
就業規則はもちろんですが、社長の訓示から役員が社員に命じる指示に至るまで、会社が発信する情報が「会社の理念」に沿っているものかどうか、常に確認する努力を続けていただきたいと思います。
理念のない会社は継続できない
会社の基本理念は、「会社が何のために活動するのか」を定めるものです。ですから、中長期計画も単年度計画も、評価や人事制度も、そして就業規則も、すべて「会社の理念」を念頭において構築されるのが自然の流れというものです。
もし、会社に理念がなかったら?
もし会社に理念がなかったら、その会社はCSR(Corporate Social Responsibility)を果たすことができません。CSRは、一般に「企業の社会的責任」と訳されますが、それはすなわち、「企業の社会的説明責任」です。
この「企業の社会的説明責任」こそが、総務が常に考え続けるべきことなのです。
会社が予期せぬトラブルに見舞われたとき、「会社の行動は、理念に沿ったものであった」と説明できますか?社長に、役員に、社員に、常にそのことを問いかけ続けるのが総務の役割です。
企業が社会的説明責任を果たすためには、理念が絶対に必要です。そして、総務はそれが「絵に描いた餅」になることから守らなければなりません。
さらにいえば、ビジネスは良いときばかりではありません。会社に理念がなければ、「○○のために」という思いがなければ、辛いときに人は踏ん張ることができないのではないでしょうか。
事業を継続していくためにも、会社には、理念が必要不可欠なのです。
そして、会社の基本理念を達成するための行動を示すのが「社訓」です。
この社訓が、最近では電通の過重労働を招いた元凶ではないかと話題になりました。いわゆる『鬼十則』といわれるものです(正確には、社訓ではなく「遺訓」だそうですが)。
そこに書かれている内容のすべてを否定するものではありませんが、たしかに、高度成長期であれば社員を鼓舞した勇ましい言葉も、いまの時代には社員を追いつめる凶器になりかねません。
悪くすると過重労働やパワハラを誘発することすらあるのだ、ということを肝に銘じるべきでしょう。
そういう観点からみると、以前からある社訓を見直す必要のある会社は多いのではないでしょうか。とくに現代のように縮小傾向が続く時代に、「死ぬまで」とか「死んでも」あるいは「24時間」といった言葉は、社訓に使用すべきではないと考えます。
漢詩から引用したような重々しいものよりも、明るく、健康的で、前向きな社訓こそ、いまの時代にはあっているのではないでしょうか。
もし、会社に理念がなかったら?
もし会社に理念がなかったら、その会社はCSR(Corporate Social Responsibility)を果たすことができません。CSRは、一般に「企業の社会的責任」と訳されますが、それはすなわち、「企業の社会的説明責任」です。
この「企業の社会的説明責任」こそが、総務が常に考え続けるべきことなのです。
会社が予期せぬトラブルに見舞われたとき、「会社の行動は、理念に沿ったものであった」と説明できますか?社長に、役員に、社員に、常にそのことを問いかけ続けるのが総務の役割です。
企業が社会的説明責任を果たすためには、理念が絶対に必要です。そして、総務はそれが「絵に描いた餅」になることから守らなければなりません。
さらにいえば、ビジネスは良いときばかりではありません。会社に理念がなければ、「○○のために」という思いがなければ、辛いときに人は踏ん張ることができないのではないでしょうか。
事業を継続していくためにも、会社には、理念が必要不可欠なのです。
そして、会社の基本理念を達成するための行動を示すのが「社訓」です。
この社訓が、最近では電通の過重労働を招いた元凶ではないかと話題になりました。いわゆる『鬼十則』といわれるものです(正確には、社訓ではなく「遺訓」だそうですが)。
そこに書かれている内容のすべてを否定するものではありませんが、たしかに、高度成長期であれば社員を鼓舞した勇ましい言葉も、いまの時代には社員を追いつめる凶器になりかねません。
悪くすると過重労働やパワハラを誘発することすらあるのだ、ということを肝に銘じるべきでしょう。
そういう観点からみると、以前からある社訓を見直す必要のある会社は多いのではないでしょうか。とくに現代のように縮小傾向が続く時代に、「死ぬまで」とか「死んでも」あるいは「24時間」といった言葉は、社訓に使用すべきではないと考えます。
漢詩から引用したような重々しいものよりも、明るく、健康的で、前向きな社訓こそ、いまの時代にはあっているのではないでしょうか。
全員参加型「社員宣言」のススメ
どんなに崇高な理念を掲げ、素晴らしい社訓を作っても、それが会社全体に浸透しなければまったく意味がありません。
そこでお勧めしたいのが、「社員宣言」の作成です。
会社の基本理念や社訓がトップからの情報発信なら、「社員宣言」は社員からトップに向けた、あるいはお客さまに向けた情報発信です。
会社の理念を理解した上で、社員はどんな宣言をするのか? 社員全員が参加して作ることで、会社の基本理念への理解が深まり、社員同士の理解も増すことが期待できます。
ご参考までに、当社の社員宣言をご紹介したいと思います。
■トムズ社員宣言
なぜなら、人は幸せになるために働くものだと思うからです。
そこでお勧めしたいのが、「社員宣言」の作成です。
会社の基本理念や社訓がトップからの情報発信なら、「社員宣言」は社員からトップに向けた、あるいはお客さまに向けた情報発信です。
会社の理念を理解した上で、社員はどんな宣言をするのか? 社員全員が参加して作ることで、会社の基本理念への理解が深まり、社員同士の理解も増すことが期待できます。
ご参考までに、当社の社員宣言をご紹介したいと思います。
■トムズ社員宣言
一、私たちは、仕事を一所懸命にできることに感謝しよう!
一、私たちは、仕事を通じて必ず幸せになろう!
一、私たちは、お客さまの役に立つ仕事をして信頼を頂こう!
一、私たちは、確実な仕事を通じて社会に貢献しよう!
どれも社員らの気持ちがこもった宣言ですが、社長としては、2番目の宣言をぜひ実現してほしいと願っています。一、私たちは、仕事を通じて必ず幸せになろう!
一、私たちは、お客さまの役に立つ仕事をして信頼を頂こう!
一、私たちは、確実な仕事を通じて社会に貢献しよう!
なぜなら、人は幸せになるために働くものだと思うからです。