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[第4回] 会議費の5,000円基準とは 6つの要件と4つの注意点

2018年9月27日更新

ケースと図解で学ぶ 交際費と隣接費用判断のポイント

[第4回] 会議費の5,000円基準とは 6つの要件と4つの注意点

[谷口孔陛氏(税理士)]
前回の「交際費と最も近い『会議費』とは? 」で、「会議費」という勘定科目には、

・本来の意味での会議費
・1人あたり5,000円以下の飲食代

の2つの意味があることを解説しました。

このうち後者の「1人あたり5,000円以下の飲食代」、これを「5,000円基準」という名前で呼ぶこともあるのですが、この制度を使うためには要件や細かな注意点があります。
今回はこの5,000円基準について見ていきましょう。

会議費の「5,000円基準」とは?

前回のおさらいになりますが、この5,000円基準、内容はまったく難しいものではありません。「交際費のうち、1人あたり5,000円以下の飲食代は交際費に含めなくてOK」というだけのもので、計算のしかたも単純に「飲食代の金額÷参加した人数」をして、これが5,000円以下になれば適用ができます。
この図のように、たとえば3人で14,000円の飲食代がかかった場合、「14,000 ÷3=4,666円」と1人あたり5,000円以下となりますので、14,000円全額を交際費から除外することができます。
正確には「交際費から除外することができる」と決められているだけで、「会議費にしなさい」と決められているわけではありません。ただ、実務上「会議費」という勘定科目が使われることが多いので、本連載では会議費の中に含めて解説をしていきます。

会議費の「5,000円基準」の6つの要件

この5,000円基準を使うには以下の6つの要件があります。

会議費

・社外の人との飲食であること
・取引先の名前と関係を記録
・参加した人数を記録
・年月日を記録
・お店の名前と住所を記録
・飲食費であることを明記

まず、「社外の人との飲食であること」です。これはそのままの意味ですが、会社の内部の人だけの飲み会には適用されない、ということですね。

これはそんなに厳しくなく、社外の人が1人でもいればいいことになっています。たとえば、自社の人間が5人で、社外の人が1人、という割合でもOKということです(あまりにもアンバランスだと問題になるかもしれませんが)。また、「100%の親(子)会社」の方と食事をした場合も、会議費にすることができます。グループ会社は法人としては別なので、社外の人と判断されるのです。ただ、同じ会社の本店や支店の場合は「自社」と見られてしまいますのでご注意を。

2つめの「取引先の名前と関係を記録」については、あんまり大人数のときに全員記録するのは煩わしいので、「A社谷口氏 ほか5名 仕入先」といった記載でも問題ありません。
そのほか人数や年月日、お店の名前などはそのままの意味ですね。

では、この6つの要件のうち、下3つに着目してみてください。
「年月日」「お店の名前と住所」「飲食費であること」については、通常領収書やレシートに書いてあります。つまり、領収書・レシートに取引先の名前や人数をメモしておくこと、が一番簡単な運用である、ともいえます。

会議費

・社外の人との飲食であること
・取引先の名前と関係を記録
・参加した人数を記録

・年月日を記録
・お店の名前と住所を記録
・飲食費であることを明記


領収書でOK

経理専任の方がいるような規模の会社では、これらの項目がすべて書ける申請書を用意して、営業の方などに書いてもらうケースも多いです。会社規模によってできる方法を選ぶとよいでしょう。
執筆者プロフィール

谷口孔陛氏(税理士)
谷口孔陛税理士事務所代表。図解を積極的に使い、専門用語に頼らない噛み砕いた説明と、クラウド会計の利用に強みを持つ。クラウド会計に強みを持ちすぎて沖縄の宮古島商工会議所に講師として呼んでいただくも、東京からの日帰りであったため満身創痍で帰宅する。1985年長崎生まれ。著書『できる税理士は知っている これならうまくいくクラウド会計』(共著)
事務所ホームページ・ブログ(https://www.kh-tax.com/)
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