1.子の看護休暇と介護休暇の取得単位
(1)時間単位の「時間」とは「時間」とは1時間の整数倍の時間をいい、労働者からの申出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できるようにする必要があります。会社が時間数を指定することはできません。
なお、日単位・時間単位の取得は、労働者の選択に委ねられます。
(2)時間単位の取得と1日の所定労働時間数
時間単位の時間数の合計が、1日の所定労働時間数に相当する時間になるごとに、「1日分」の休暇を取得したものとされます。
この場合、1日の所定労働時間数に1時間未満の時間があるときは、端数を時間単位に切り上げる必要があります。
<例:1日の所定労働時間が7時間30分の場合>
時間単位で計8時間を取得 →
8時間で1日分の取得となる
(所定労働時間を8時間に切り上げ)
(所定労働時間を8時間に切り上げ)
法令上、求められている時間単位の取得は、「中抜けなし」の始業からまたは終業までの連続取得ですが、事業主には弾力的な利用が可能となるよう配慮が求められています。
「中抜け」とは、就業時間の途中から時間単位で取得し、途中から再び就業することをいいます。
すでに「中抜け」による時間単位の取得を認めている場合に、「中抜け」を認めない制度に変更することは、不利益変更となるため注意しましょう。
(4)時間単位と半日単位の取得
時間単位の取得ができる労働者について、半日単位の取得を可能とする必要はないとされています。
なお、時間単位に加え、半日単位の取得を可能にする場合は、労働者にとって不利な制度にならないよう留意する必要があります。
<例:半日単位と時間単位の取得が可能な場合>
半休は午前3時間、午後5時間で、午前半休2回で1日分の取得としている場合に、
*午前半休に相当する3時間を2回(計6時間)取得した場合に、1日分の休暇取得とするのは適切な取り扱いではない。
2.対象労働者
子の看護休暇と介護休暇の時間単位の取得は、すべての労働者が対象となります。したがって、半日単位の取得ができない1日の所定労働時間が4時間以下の労働者も取得することが可能です。
ただし、時間単位の取得が困難な業務に従事する労働者については、労使協定の締結により取得対象者から除外することが可能です。
3.企業の対応
時間単位の取得が施行されるまでに時間がありますが、厚生労働省のサイトに取得に関するQ&Aが掲載されていますので、早めに制度導入について検討を始めるようにしましょう。
育児・介護休業法について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html