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賃金請求権の時効が2年から5年(当面3年)に(2020年4月施行)

2020年3月30日更新

人事労務News&Topics

賃金請求権の時効が2年から5年(当面3年)に(2020年4月施行)

[小宮弘子氏(特定社会保険労務士)]
民法改正に伴い、賃金請求権の時効を現在の2年から5年(当面3年)に延長する労働基準法の改正法案(労働基準法の一部を改正する法律案)が3月27日に通常国会で可決・成立し、改正民法の施行の日(2020年4月1日)に施行されます。
今回は、その内容について説明します。

労働者名簿等の書類の保存期間の延長

労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類の保存期間について、5年間(改正前は3年間)に延長されました。

付加金を請求することができる期間の延長

裁判所は、企業が割増賃金等の支払義務に違反した場合に、労働者の請求により、企業が支払うべき未払金のほか、これと同額の支払いを命じることができます。これを付加金といいます。
この付加金の請求を行なうことができる期間が、違反があった時から5年(改正前は2年)に延長されました。

賃金請求権の消滅時効の見直し等

賃金(退職金を除きます)の請求権の消滅時効期間を5年に延長するとともに、消滅時効の起算点について、請求権を行使することができる時であることが明確にされました。
なお、退職金の消滅時効期間については5年間が維持されました。

経過措置

改正後の労働基準法(109条、114条、115条)の適用について、労働者名簿等の保存期間、付加金の請求を行なうことができる期間、賃金(退職金を除きます)の請求権の消滅時効期間には経過措置が設けられ、当分の間、5年間ではなく、「3年間」とされます。
改正後の規定は、施行日以後に賃金の支払期日が到来する賃金請求権、違反があった場合の付加金の支払いに係る請求について適用されます。
執筆者プロフィール

小宮弘子氏(特定社会保険労務士)
大手都市銀行本部および100%子会社で人事総務部門を経験後、2003年にトムズ・コンサルタント株式会社に入社、現代表取締役社長。人事・労務問題、諸規程、賃金・評価制度の改定をはじめ、社内制度全般のコンサルティングを中心に行なう。 著書に『この1冊でポイントがわかる 「働き方改革」の教科書』(共著、総合法令出版)、『ストレスチェックQ&A』(共著、泉文堂)などがある。

連載「人事労務News&Topics」

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