今回は、その内容について説明します。
労働者名簿等の書類の保存期間の延長
労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類の保存期間について、5年間(改正前は3年間)に延長されました。付加金を請求することができる期間の延長
裁判所は、企業が割増賃金等の支払義務に違反した場合に、労働者の請求により、企業が支払うべき未払金のほか、これと同額の支払いを命じることができます。これを付加金といいます。この付加金の請求を行なうことができる期間が、違反があった時から5年(改正前は2年)に延長されました。
賃金請求権の消滅時効の見直し等
賃金(退職金を除きます)の請求権の消滅時効期間を5年に延長するとともに、消滅時効の起算点について、請求権を行使することができる時であることが明確にされました。なお、退職金の消滅時効期間については5年間が維持されました。
経過措置
改正後の労働基準法(109条、114条、115条)の適用について、労働者名簿等の保存期間、付加金の請求を行なうことができる期間、賃金(退職金を除きます)の請求権の消滅時効期間には経過措置が設けられ、当分の間、5年間ではなく、「3年間」とされます。改正後の規定は、施行日以後に賃金の支払期日が到来する賃金請求権、違反があった場合の付加金の支払いに係る請求について適用されます。