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令和4年度の「くるみん助成金」の申請受付が始まりました

2022年7月11日更新

人事労務News&Topics

令和4年度の「くるみん助成金」の申請受付が始まりました

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業「くるみん助成金」の実施期間は、令和3年10月から令和9年3月までとなっています。
先日、令和4年度のくるみん助成金の申請受付が始まりましたので、本助成金の内容について詳しく解説していきます。

(1)くるみん助成金とは

くるみん助成金は、従業員に対する育児休業等の取組みを促進するなど、子ども・子育て支援に積極的に取り組んでいる事業主を支援する制度です。
助成要件を満たす事業主に対し、「中小企業子ども・子育て支援環境整備事業」を実施する際に、50万円を上限にその経費を助成します。

○対象となる事業主

常時雇用する労働者数が300人以下で、「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けている事業主が助成対象となります(「トライくるみん認定」は対象外です)。

なお、くるみんの認定基準等については、以前のコラムでご確認ください。


<令和4年度:申請対象となる事業主>
  項目 ポイント
1 一般事業主であること 子ども・子育て支援法に定める一般事業主
(事業主拠出金[*]を納付している)
2 くるみん認定取得

○くるみん認定、くるみんプラス認定企業は、前年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)または当年度(助成申請期間末日まで)に認定を受けていること等

○プラチナくるみん認定、プラチナくるみんプラス認定企業は、令和4年3月31日までに認定を受けていること

3 労働者数 常時雇用する労働者数が300人以下

(*)事業主拠出金とは、厚生年金保険の標準報酬月額・標準賞与額に拠出金率を乗じた金額で、社会保険料と同時に納付しているものです。

○申請受付期間

令和4年度の申請受付期間は、令和4年6月1日~令和5年1月31日です。ただし、予算上限に達した場合は、期間内でも終了することがあります。
令和5年度以降の申請受付については、令和5年度以降に発表されます。

(2)対象となる取組み・経費

以下は、助成対象となる取組みや経費の具体例です。
取組み 取組みの具体例 経費の具体例
育児休業等の取得を促進する取組み 育児休業等を取得する労働者の業務を代替する労働者の確保 代替社員・パート社員の給与、派遣スタッフ等の契約、採用した場合の求人広告・人材会社紹介料・面接費用
育児休業等の制度の普及・啓発のための研修・セミナーの実施等 セミナー・研修会の実施、外部セミナー・研修会参加費用
子育てを支援する取組み 所定外労働の制限、短時間勤務制度やフレックスタイム制度等の導入・周知 制度導入にかかる費用(就業規則等の制定のための社会保険労務士費用)、普及のためのパンフレット作成
労働者が利用した子育てサービスの費用の助成 保育所利用、ベビーシッター利用、学童クラブ利用、ファミリーサポート利用等の育児支援サービス利用料の補助
業務負担の軽減、所定外労働の削減などの取組み 業務の効率化・省力化を図るための機械・器具等の購入やランニングコストの支払い 機器の購入・リース代、PC周辺・ネットワーク整備費、業務可視化ツール等の業務改善ソフトの導入費用
在宅勤務やテレワーク等の制度を導入・維持するための機械・器具等の購入やランニングコストの支払い PC等機器の購入・リース代、PC周辺・ネットワーク整備費、オンライン会議システム利用料、制度導入にかかる費用(就業規則等の制定のための社会保険労務士費用)
その他労働者の仕事と子育ての両立に必要な取組み コンサルタントを活用した職場環境改善のための取組み コンサルタント相談費用
仕事と子育ての両立を図るための職場環境の改善や労働者の処遇改善に直接的に資する各種の取組み 福利厚生代行サービスの導入・利用費用、会社独自の支援金制度(出産見舞金、育児両立支援金)、会社独自の特別有給休暇取得にかかる費用
取組みや経費の具体例をみると、範囲が広く、本助成金の活用しやすさを感じます。
くるみん認定マークを取得している企業は、本助成金申請の要件に合うようでしたら、助成金の受給を考えてみてはいかがでしょうか。
なお、本助成金の実施期間は、令和9年3月31日までとなっています。くるみん認定マークを未取得の企業であっても、これからくるみん認定を取得したうえで本助成金の申請をすることは十分に可能です。仕事と子育ての両立について考えるよい機会と捉えて、くるみん認定の取得を検討してみるとよいでしょう。
執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
志-こころ- 特定社労士事務所

連載「人事労務News&Topics」

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