先日、令和4年度のくるみん助成金の申請受付が始まりましたので、本助成金の内容について詳しく解説していきます。
(1)くるみん助成金とは
くるみん助成金は、従業員に対する育児休業等の取組みを促進するなど、子ども・子育て支援に積極的に取り組んでいる事業主を支援する制度です。助成要件を満たす事業主に対し、「中小企業子ども・子育て支援環境整備事業」を実施する際に、50万円を上限にその経費を助成します。
○対象となる事業主
常時雇用する労働者数が300人以下で、「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けている事業主が助成対象となります(「トライくるみん認定」は対象外です)。なお、くるみんの認定基準等については、以前のコラムでご確認ください。
<令和4年度:申請対象となる事業主>
項目 | ポイント | |
1 | 一般事業主であること | 子ども・子育て支援法に定める一般事業主 (事業主拠出金[*]を納付している) |
2 | くるみん認定取得 |
○くるみん認定、くるみんプラス認定企業は、前年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)または当年度(助成申請期間末日まで)に認定を受けていること等 ○プラチナくるみん認定、プラチナくるみんプラス認定企業は、令和4年3月31日までに認定を受けていること |
3 | 労働者数 | 常時雇用する労働者数が300人以下 |
(*)事業主拠出金とは、厚生年金保険の標準報酬月額・標準賞与額に拠出金率を乗じた金額で、社会保険料と同時に納付しているものです。
○申請受付期間
令和4年度の申請受付期間は、令和4年6月1日~令和5年1月31日です。ただし、予算上限に達した場合は、期間内でも終了することがあります。令和5年度以降の申請受付については、令和5年度以降に発表されます。
(2)対象となる取組み・経費
以下は、助成対象となる取組みや経費の具体例です。取組み | 取組みの具体例 | 経費の具体例 |
育児休業等の取得を促進する取組み | 育児休業等を取得する労働者の業務を代替する労働者の確保 | 代替社員・パート社員の給与、派遣スタッフ等の契約、採用した場合の求人広告・人材会社紹介料・面接費用 |
育児休業等の制度の普及・啓発のための研修・セミナーの実施等 | セミナー・研修会の実施、外部セミナー・研修会参加費用 | |
子育てを支援する取組み | 所定外労働の制限、短時間勤務制度やフレックスタイム制度等の導入・周知 | 制度導入にかかる費用(就業規則等の制定のための社会保険労務士費用)、普及のためのパンフレット作成 |
労働者が利用した子育てサービスの費用の助成 | 保育所利用、ベビーシッター利用、学童クラブ利用、ファミリーサポート利用等の育児支援サービス利用料の補助 | |
業務負担の軽減、所定外労働の削減などの取組み | 業務の効率化・省力化を図るための機械・器具等の購入やランニングコストの支払い | 機器の購入・リース代、PC周辺・ネットワーク整備費、業務可視化ツール等の業務改善ソフトの導入費用 |
在宅勤務やテレワーク等の制度を導入・維持するための機械・器具等の購入やランニングコストの支払い | PC等機器の購入・リース代、PC周辺・ネットワーク整備費、オンライン会議システム利用料、制度導入にかかる費用(就業規則等の制定のための社会保険労務士費用) | |
その他労働者の仕事と子育ての両立に必要な取組み | コンサルタントを活用した職場環境改善のための取組み | コンサルタント相談費用 |
仕事と子育ての両立を図るための職場環境の改善や労働者の処遇改善に直接的に資する各種の取組み | 福利厚生代行サービスの導入・利用費用、会社独自の支援金制度(出産見舞金、育児両立支援金)、会社独自の特別有給休暇取得にかかる費用 |
くるみん認定マークを取得している企業は、本助成金申請の要件に合うようでしたら、助成金の受給を考えてみてはいかがでしょうか。
なお、本助成金の実施期間は、令和9年3月31日までとなっています。くるみん認定マークを未取得の企業であっても、これからくるみん認定を取得したうえで本助成金の申請をすることは十分に可能です。仕事と子育ての両立について考えるよい機会と捉えて、くるみん認定の取得を検討してみるとよいでしょう。
くるみん助成金ポータルサイト
https://kuruminjosei.jp/index.html
https://kuruminjosei.jp/index.html
くるみん助成金 利用ガイド(令和4年度版)
https://kuruminjosei.jp/assets/common/pdf/apply_guide01.pdf
https://kuruminjosei.jp/assets/common/pdf/apply_guide01.pdf