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「もしも災害が起こったら?」――災害に備えて社内体制の整備はできていますか?

2024年1月15日更新

人事労務News&Topics

「もしも災害が起こったら?」――災害に備えて社内体制の整備はできていますか?

[矢島志織(特定社会保険労務士)]
はじめに、1月1日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災された多くの方々、ご家族・関係者の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
また、懸命に救急救助と復旧活動に当たられている皆様に心より感謝いたします。

災害が、いつ、どのように起こるのかを正確に予見することは誰にもできません。しかし、発生した際のダメージを少しでも軽減するためには、「事前の備え」がとても大切です。

内閣府から発信されている資料等を参考に、災害への備えについて解説していきます。

企業における防災の取組み

「もしも」に備えて、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)や会社を守るための取組みには、主に「①防災対策」と「②事業継続」の2つがあります。

防災対策としては、耐震化、社員の被害軽減等への備え、安否確認、被害把握等のフローを確立することなどが挙げられます。
また、事業継続として、経営に必要な資源の喪失防止策、発生後の復旧への備えとして、事業継続対応手順の明確化、サプライチェーン対策等が挙げられます。

貴社の防災への取組みは、どこまで対応できていますか?

社員の生命・安全の確保について

企業として「安全配慮義務」を履行するうえで、社員の生命・安全の確保は、極めて重要です。
備えができているか、今一度、確認していきましょう。
□安全確保

・避難所の場所がどこなのか明確にしましょう

・会社から避難場所までの経路等を確認しましょう

□安否確認

・発災時、社内・社外にいる社員の行動をどのように確認するのか、周知しましょう
(どんな時、誰に、社内連絡を行なうのか、フロー図を用いて作成することも一つの方法)

・安否情報の受発信方法についても確認しましょう

□緊急時の役割・体制

・業務の指揮命令者ではなく、「緊急時の指揮命令者」を明確にしましょう

・災害対策組織を定めることも有効です
(防災責任者、防災副責任者、防災訓練・点検・用品等担当者など)

□教育・訓練の実施

・日頃から、防災教育と防災訓練を実施しましょう
(地震を想定した防災訓練など)

□食料・医薬品、トイレ等の備蓄

・備蓄量の目安として「3日分」の食糧等とされています
(水であれば、1日3リットル=計9リットル、主食であれば、1日3食=計9食が目安)

・賞味期限なども定期的にチェックするようにしましょう

・女性社員向けに生理用品、衛生用品等を備蓄しておくのもよいでしょう

□二次災害防止

・オフィス家具・機器の転倒防止の対策を確認しましょう

・出火、飛散防止等の対策を確認しましょう

これらの災害発生前の備えに関する事項や、発生時の対応に関する事項等のルールを明確にし、「災害対策規程」等にまとめておくことも考えられますが、規程の有無にかかわらず、自社のルールを社員全員に周知・徹底することが「備え」に繋がります
「もしも」に備えて、自社のできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
執筆者プロフィール

矢島志織氏(特定社会保険労務士)
社会保険労務士法人 志‐こころ‐特定社労士事務所 代表社員/KOKORO株式会社代表取締役。SEとして人事系システム開発に従事後、中小企業や上場企業の人事部を経験し、勤務社労士を経て独立。豊富な現場経験を強みに、企業全体の労務リスクを分析し、人事労務DD、IPO支援、人事制度、就業規則の見直し等を行う。また現場の声を聞きながら、人事労務セミナーや企業研修講師を行う等、多数の講演実績あり。著書として『労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務』(日本法令)、『IPOの労務監査 標準手順書』(日本法令)など。
志-こころ- 特定社労士事務所

連載「人事労務News&Topics」

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