最終更新日:2024年8月29日
厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率を乗じて計算され、事業主と被保険者(本人)が折半で負担します。
現在の厚生年金保険の保険料率は、18.3%(事業主負担9.15%、本人負担9.15%)です。
(1)算定基礎届に基づく標準報酬月額の改定
毎年の定例事務として、7月に「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」(算定基礎届)を管轄の年金事務所等に提出します。
この算定基礎届に記載された直近の給与額(報酬月額)をもとに新しい標準報酬月額が決まり(定時決定)、会社宛てに「標準報酬決定通知書」が郵送されます。
したがって、算定基礎届を提出していれば、すでに標準報酬決定通知書が届いているはずです。標準報酬決定通知書には、社員の新しい標準報酬月額が記載されていて、2024年9月~2025年8月まで、この標準報酬月額が適用されます。
標準報酬月額が改定された社員については、新しい標準報酬月額に基づいて社会保険料を計算・控除する必要があります。
↓算定基礎届の提出
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
↑新標準報酬月額の適用(翌年8月までの1年間)
(2)改定された新保険料をいつから控除するか
社会保険料の本人負担分は、原則として「前月分の社会保険料」を毎月の給与から控除することになっています(翌月控除)。
この場合、2024年9月分の社会保険料は、2024年10月に支払われる給与から控除されるため、本人負担分の保険料は、10月支給の給与から新しい標準報酬月額による計算となります。
↓新標準報酬月額の適用
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
↑10月支給の給与から新保険料を控除(原則)
なお、一部の会社では、9月支給の給与から9月分の保険料を控除しているケースがあります(当月控除)。この場合、本人負担分の保険料は、9月支給の給与から新しい標準報酬月額による計算となります。
(3)徴収する源泉所得税額の変更にも注意する
毎月の給与からは源泉所得税も徴収します。源泉所得税を計算するときの課税所得は、支給額(額面)から社会保険料を控除した額を使うため、社会保険料の額が変わると、それに連動して源泉所得税額も変わることがあります。
毎月の給与計算では、社会保険料控除後の給与に応じて「給与所得の源泉徴収税額表」を参照し、源泉徴収税額を求めることになります。