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法定調書等は、いつまでに、何を、どこに提出するのか

2024年1月の経理豆知識

法定調書等は、いつまでに、何を、どこに提出するのか
最終更新日:2023年12月25日
給与や報酬、料金等を支払うことによって作成する必要が生じる主な法定調書、報告書等について、いつまでに、何を、どこに提出すればよいのかを説明します。
なお、法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきであった枚数が100枚以上の場合には、e-Tax、光ディスク等またはクラウド等により提出しなければなりません。そのため、法定調書の種類ごとに、2022年に提出した枚数が100枚以上であった場合には、2024年に提出する当該法定調書は、e-Tax、光ディスク等またはクラウド等による必要があります。

(1)給与所得の源泉徴収票

給与所得の源泉徴収票は、給与等を支払ったすべての人に交付するとともに、一部の人については税務署にも提出する必要があります。
給与所得の源泉徴収票の提出先等は次のとおりです。
提出先 給与の支払者の所轄税務署
提出期限 支払った年の翌年1月31日まで
提出枚数 原則として1枚
税務署への提出は、年末調整の対象か否かによって、次のように区分されます。
区分 提出が必要なもの
年末調整をしたもの

(1)法人の役員(現に役員でなくても、その年中に役員であった者を含む)は、その年中の支払金額が150万円を超えるもの

(2)弁護士、司法書士、税理士等は、その年中の支払金額が250万円を超えるもの(報酬、料金等ではなく、給与等として支払っている場合)

(3)上記以外は、その年中の支払金額が500万円を超えるもの

年末調整をしなかったもの(給与所得者の扶養控除等申告書を提出)

(1)その年中に退職したか、災害により被害を受けて源泉所得税・復興特別所得税の徴収猶予または還付を受けた場合、その年中の支払金額が250万円を超えるもの(法人の役員は50万円を超えるもの)

(2)その年中の主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの

年末調整をしなかったもの(月額表または日額表の乙欄もしくは丙欄の適用者等) その年中の支払金額が50万円を超えるもの

(2)給与支払報告書

給与支払報告書(個人別明細書)は、給与所得の源泉徴収票と一体の様式となっており、給与の支払金額により、3枚複写のものと、2枚複写のものに分けて記入します。
2023年度(2022年分)の給与支払報告書から、「市区町村提出用」の給与支払報告書は2枚から1枚に変更されました。
3枚複写は、支払金額が150万円超の法人の役員と500万円超の一般の人用で、給与支払報告書1枚と源泉徴収票2枚(税務署用と受給者交付用)です。2枚複写は、上記以外の人用で、給与支払報告書1枚と源泉徴収票1枚(受給者交付用)です。
給与支払報告書は、給与所得の源泉徴収票とは異なり、すべての受給者が提出の対象となっています。提出先等は次のとおりです。
提出先 支払った年の翌年1月1日現在の受給者の住所地の市区町村
提出期限 支払った年の翌年1月31日まで
提出枚数 1枚

(3)退職所得の源泉徴収票・特別徴収票

退職所得の源泉徴収票・特別徴収票は、すべての受給者に対して、退職後1か月以内に交付するとともに、役員の分については別途、税務署等に提出が必要です。具体的には次のとおりです。
提出対象者 法人の役員
提出先

(1)源泉徴収票:給与の支払者の所轄税務署

(2)特別徴収票:支払った年の1月1日現在の受給者の住所地の市区町村

提出期限 原則として退職後1か月以内
(源泉徴収票については、その年中に退職した受給者分を取りまとめて、翌年の1月31日までに提出することも可能)
提出枚数 原則として1枚

(4)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

一定の報酬、料金、契約金、賞金、診療報酬を、個人または法人に対して支払った場合に作成します。提出対象者と支払金額の基準は次のとおりです。
提出範囲 支払金額の基準
外交員、集金人、電力量計の検針人、プロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金 その年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
馬主に支払う競馬の賞金 1回に75万円を超える賞金の支払いを受けた者に係る、その年中のすべての支払金額
プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金 その年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等 その年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬 その年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの(一部除外あり)
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書は、支払った年の翌年1月31日までに、給与の支払者の所轄税務署へ提出(原則として1枚)しなければなりません。

(5)不動産関係の支払調書

次の不動産関係の支払調書については、該当の国税庁のサイトを参照してください。

(6)法定調書合計表の記載・提出

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は、次の6種類の合計表をまとめたものです。
  1. 給与所得の源泉徴収票合計表
  2. 退職所得の源泉徴収票合計表
  3. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
  4. 不動産の使用料等の支払調書合計表
  5. 不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表
  6. 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表
法定調書合計表は、個々の法定調書を集計するもので、法定調書の表紙のようなものといえます。
支払った年の翌年1月31日までに作成し、支払事務を取り扱う事務所、事業所等の所在地を所轄する税務署に提出します。