最終更新日:2024年2月28日
(1)適用事業所
社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、本社、支社、工場など、事業が行なわれる一定の事業所を単位として適用されます。
社会保険の適用を受ける事業所を「適用事業所」といい、加入が義務づけられている「強制適用事業所」と、任意で加入する「任意適用事業所」があります。
強制適用事業所は、法律により、事業主や従業員の意思に関係なく、社会保険への加入が義務づけられています。
一方、任意適用事業所は、強制適用事業所とはならない場合に、厚生労働大臣(日本年金機構)の認可を受けて社会保険の適用を受ける事業所です。
(2)一括適用事業所
本社、支社等ごとに社会保険が適用されている適用事業所について、本社で人事、給与等が集中的に管理され、事業主が同一であるなど、一定の基準を満たす場合には、支社等を含めて本社を一つの適用事業所とする申請を行なうことができます。
この申請が認められると「一括適用事業所」となり、本社・支社等間で人事異動があった場合の被保険者資格の取得・喪失等の手続きが不要となり、事務の効率化が図れます。また、人事異動に伴う届出漏れ等を防ぐことにもつながります。
(3)一括適用の承認基準(協会けんぽの場合)
一括適用の承認を受けるためには、厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険について、下記の要件をすべて満たす必要があります。
- 一括にしようとする複数の事業所に使用されるすべての従業員の人事、労務、給与に関する事務が電子計算組織により集中的に管理され、適用事業所の事業主が行なうべき事務が所定の期間内に適正に行なわれること
- 一括適用の承認により指定を受けようとする事業所について、前項に規定する管理が行なわれ、かつ、その事業所が一括適用の承認申請を行なう事業主の主たる事業所であること
- 承認申請にかかる適用事業所について、厚生年金保険の一括適用の承認申請を合わせて行なうか、厚生年金保険の一括適用の承認を受けていること
- 承認申請にかかる適用事業所について、健康保険の保険者が同一であること
- 一括適用の承認によって健康保険事業または厚生年金保険事業の運営が著しく阻害されないこと
(4)一括適用の申請手続き(協会けんぽの場合)
一括適用の申請は、「全国健康保険協会管掌健康保険・厚生年金保険 一括適用承認申請書」を、一括する適用事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出することにより行ないます。
承認申請書のほかに、一括する適用事業所に関して、人事、労務、給与に関する事務の範囲などを説明する書類も必要になります。
承認申請に必要な書類については、日本年金機構のホームページを参照してください。
なお、申請から承認までの期間は、おおむね3か月程度とされています。