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柔軟な働き方を可能にするフレックスタイム制と導入の留意点

2024年3月の総務豆知識

柔軟な働き方を可能にするフレックスタイム制と導入の留意点
最終更新日:2024年2月28日
フレックスタイム制は、在宅勤務やリモートワークとの相性がよく、通勤ラッシュを避けての通勤が可能になるなど、ワークライフバランスや生産性の向上が見込め、感染症対策としても有効です。
そのため、中小企業でも導入するケースが増えています。

(1)フレックスタイム制とは

フレックスタイム制は、労働基準法32条の3に基づく労働時間制度です。
フレックスタイム制においては、1日の労働時間の長さを固定的には定めません。そのかわりに、一定期間における総労働時間を定めておき、その総労働時間の範囲内で、各労働日の労働時間を労働者が自ら決めて働くことになります。
一般的なフレックスタイム制では、1日の労働時間帯を、必ず労働しなければならない時間帯(コアタイム)と、労働者の選択によりいつ出社・退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)とに分けます。
コアタイムやフレキシブルタイムは、法令上、必ず設けなければならないものではありません。コアタイムのないフレックスタイム制は、「スーパーフレックスタイム制」とも呼ばれます。
フレックスタイム制を導入するには、就業規則等において始業・終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定めたうえで、次の事項について労使協定を締結する必要があります。
  1. 対象労働者の範囲
  2. 労働時間の清算期間
  3. 清算期間における起算日
  4. 清算期間中の総労働時間
  5. 1日の標準労働時間
  6. コアタイム(任意)
  7. フレキシブルタイム(任意)

(2)フレックスタイム制の清算期間の留意点

フレックスタイム制の清算期間に関わる主なルールは、次のとおりです。
1.清算期間の上限
清算期間の上限は「3か月以内」
2.清算期間が1か月を超える場合の労使協定
1か月を超える清算期間を定める場合には、労使協定を労働基準監督署に届出
*1か月以内の場合は、労使協定の締結だけで足り、労働基準監督署への届出義務はない
3.清算期間が1か月を超える場合の労働時間の上限
1か月ごとの労働時間が、1週平均で50時間を超えないこと(50時間を超えて労働させるには36協定 の締結・届出が必要)
フレックスタイム制を導入した場合でも、法定労働時間は適用されますから、上限を超えた場合には割増賃金を支払う必要があります。
また、深夜労働や休日労働の賃金についても、労働基準法に従わなければなりません。