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決算期(月)変更の手続きの流れと注意点

2024年3月の経理豆知識

決算期(月)変更の手続きの流れと注意点
最終更新日:2024年2月28日

(1)会社の決算期(月)

決算期(月)とは、会社の年に1回の「本決算」が何月に行なわれるかを示すものです。
日本で最も多いのは3月決算の会社です。国や自治体、その他の公的機関の年度(予算期間)が4月~翌年3月であり、それに合わせていることなどが理由と思われます。
いつを決算期にするかについて法律上の定めはありませんから、会社が自由に決算期を決定することができます。実際、3月以外を決算期としている会社も多数あります。
決算期は会社にとって経営上の重要事項であり、取引先等に対しても影響を及ぼしますから、慎重に判断・決定する必要があります。

(2)決算期の変更について

上記のとおり、決算期について法律上の定めはありませんから、一度決めた決算期を変更することも会社の自由です。いつでも、何回でも変更することができます。変更にあたって、一定の手続きは必要ですが、費用も特にかかりません。
決算期変更の基本的な手続きの流れは以下のとおりです。
株主総会決議
通常、会社定款において事業年度を定めています。この場合、決算期を変更するには、定款変更のための株主総会の決議(特別決議)が必要です。なお、事業年度は登記事項ではないので、法務局での変更登記は必要ありません。

株主総会議事録の作成
株主総会で定款変更の特別決議がなされたら、速やかにその内容を記載した株主総会議事録を作成します。

異動届出書の提出
株主総会議事録の写しを添付して、異動(決算期の変更)後、遅滞なく所轄税務署、都道府県税事務所、市区町村に「異動届出書」を提出します。

関係先への連絡
必要に応じて、取引銀行や得意先・仕入先等に対し、決算期を変更した旨を連絡します。

(注)許可や認可を必要とする許認可事業などを行なっている企業の場合は、管轄の省庁等への届出が必要になることがあります。

(3)12か月にならない事業年度の扱い

決算期を変更する場合、1事業年度が12か月とはならない年度が生じます。
決算期変更の場合、会社法上の取扱いでは例外的に12か月を超える事業年度も認められますが、税法上は1事業年度が12か月を超えることはできません。
したがって、たとえば12月決算の会社が3月決算に変更しようとする場合、まず翌年1月から3月までの3か月間を1事業年度として決算・申告を行ない、次に4月から翌年3月までを1事業年度として決算・申告を行なう必要があります。
その後は、4月から翌年3月までの12か月が1事業年度になります。