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法人税の申告期限を延長する手続きと注意点

2024年5月の経理豆知識

法人税の申告期限を延長する手続きと注意点
最終更新日:2024年4月26日
法人税の確定申告書の提出と納付は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に行なわなければなりません。3月末決算法人の場合は、5月31日が期限ということになります。
ただし、一定の場合には、申告期限の延長が認められます。申告期限の延長を申請せず、税の納付も遅れた場合には無申告加算税や延滞税が課されますが、申告期限の延長が認められれば有利な取扱いを受けることが可能です。

(1)確定申告書の提出期限の延長

「当社の定時株主総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に招集する」等の定款の規定や、特別の事情(会計監査人の監査を受けなければならない等)があることにより決算が確定せず、期限まで(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)に申告書を提出できない場合には、「申告期限の延長の特例の申請」という手続きをすることで、申告書の提出期限を1か月延長することができます。
法人税には、申告書を提出する「申告期限」と、税を納付する「納付期限」がありますが、延長が認められるのは申告期限だけで、税の納付期限は延長されないことに注意しましょう。

(2)申告期限を延長する場合の手続き

申告期限の延長の特例の適用を受けようとする場合には、所轄税務署長に対し、適用を受けようとする事業年度終了の日までに、「申告期限の延長の特例の申請書」を提出する必要があります。

(3)法人税額の見込納付の手続き

延納または納税申告書の提出期限の延長に係る国税については、その期間中、「利子税」を納付しなければならないとされています。現在の利子税の割合は、0.9%(2022年1月1日~2024年12月31日に適用する割合)です。
1か月の申告期限の延長が認められても、税の納付期限は延長されないため、そのままでは延長前の申告期限の翌日から納付日まで、延長期間の法人税額に対して利子税が課されます。
そこで、利子税の課税を避けるため、通常は「見込納付」(仮納付)という手法を採るのが一般的です。見込納付は、本来の納付期限(5月末)までに法人税額を概算で計算して納付を済ませる方法です。こうすれば、本税以外に追加で負担が生じることはありません。見込納付した税額と確定税額に差異が生じた場合には、確定申告時に精算することになります。
なお、利子税は、延滞税のようなペナルティではないため、法人税の計算上、損金(経費)にすることができます。

(4)消費税の申告期限の延長の特例

「法人税の申告期限の延長の特例」の適用を受ける法人が、「消費税申告期限延長届出書」を提出した場合には、その提出日の属する事業年度以後の各事業年度終了の日の属する課税期間に係る消費税の確定申告の期限が1か月延長されます。