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社会保険料・労働保険料の算定基礎となる報酬・賃金の範囲

2024年6月の総務豆知識

社会保険料・労働保険料の算定基礎となる報酬・賃金の範囲
最終更新日:2024年5月30日

(1)社会保険料の対象になる報酬(給与、賞与)

社会保険の保険料や保険給付の算定基礎となる標準報酬月額・標準賞与額は、被保険者に支払われた報酬(給与、賞与)に基づいて算定されます。
この報酬とは、労働者が労働の対償として受けるすべてのもの(税金その他の社会保険料等を控除する前の支払総額)です。労働者に支給された金銭等であっても、労働の対償ではないものは標準報酬月額・標準賞与額の算定基礎の報酬から除外されます。
標準報酬月額の対象となるもの、賞与となるもの、標準報酬月額の対象とならないものをまとめると、下表のとおりです(主なものを列挙しています)。
標準報酬月額の対象となるもの 【通貨で支給】
基本給、残業手当・深夜手当・休日手当等、通勤手当、住宅手当、扶養手当・子供手当・家族手当等、役付手当、勤務地手当、日直手当、宿直手当、早出手当、勤務手当、皆勤手当、精勤手当、会社から支給される私傷病手当金、賞与(年4回以上支給するもの)

【現物で支給】
通勤定期券・回数券、食事・食券、社宅・独身寮、被服(勤務服以外)、現物給与の自社製品

賞与となるもの 【通貨で支給】
賞与(年3回以内で支給するもの)、その他定期的ではなく一時的に支給されるもの

【現物で支給】
現物支給の賞与

標準報酬月額の対象とならないもの 【通貨で支給】
病気見舞金、結婚祝金、健康保険の傷病手当金、労災保険の休業補償給付、年金、恩給、大入袋、解雇予告手当、退職金、出張旅費、交際費

【現物で支給】
制服などの勤務服、食事(本人からの徴収額が標準価額により算定した額の3分の2以上)、社宅(本人からの徴収額が標準価額以上)

現物支給の通勤定期券の場合、たとえば6か月ごとに6か月定期券を支給しているなら、6分の1の額を毎月の報酬に含めることになります。

(2)労働保険料の対象になる賃金(給与、賞与)

社会保険とは異なり、労働保険には標準報酬月額や標準賞与額という概念がなく、毎月の給与や賞与を支給する都度、対象となる賃金額に基づいて保険料を計算します。したがって、社会保険のように、原則として1年間、毎月の保険料が一定になるということはありません。
労働者が労働の対償として受けるすべてのものが賃金(税金その他の社会保険料等を控除する前の支払総額)となりますが、労働保険の場合にも、労働の対償ではないものは算定基礎の賃金から除外されます。ただし、社会保険とは若干異なっています。
賃金となるものとならないものをまとめると、下表のとおりです(主なものを列挙しています)。
賃金となるもの 基本給、残業手当・深夜手当・休日手当等、通勤手当、住宅手当、扶養手当・子供手当・家族手当等、日直手当、宿直手当、役付手当、地域手当、単身赴任手当、賞与、休業手当、通勤定期券・回数券、創立記念日等の祝金(恩恵的なものでなく、全労働者または相当多数に支給されるもの)、雇用保険料・社会保険料(労働者負担分を事業主が負担する場合)
賃金とならないもの 休業補償費、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金、私傷病見舞金、解雇予告手当、出張旅費・宿泊費(実費弁償的なもの)、制服、会社が全額負担する生命保険の掛金