最終更新日:2024年5月30日
(1)年4回以上の賞与は報酬扱い
社会保険においては、年4回以上支給される賞与は、毎月の報酬に含めることとされています。
この点について、厚生労働省の通知は次のように定めています。
(1) 毎年7月1日現在における賃金、給料、手当等で毎月支給されるもの(通常の報酬)以外のもの(賞与)の支給実態が次のいずれかに該当する場合は、その賞与は報酬に該当する。
ア 給与規定、賃金協約等の諸規定によって、年間を通じて4回以上賞与を支給することが客観的に定められているとき
イ 7月1日前の1年間を通じて、賞与が4回以上支給されているとき
(2) 賞与の支給回数の算定は、次により行なう。
ア 名称は異なっても同一性質を有すると認められるものごとに判別する。
イ 例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて1回として算定する。
ウ 当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しない。
したがって、年3回以下の支給であれば賞与として「賞与支払届」により、年4回以上の支給であれば毎月の給与として「算定基礎届」により、社会保険料算定の基礎となる報酬・賞与として届出を行なうことになります。
年4回以上支給される賞与を算定基礎届により届け出る場合には、7月1日前の1年間(前年7月~6月)に受けた賞与の合計額を12で除し、毎月の報酬に加えます。
(2)報酬・賞与の区分の明確化
「報酬」と「賞与」は、保険料額や年金額の計算の基礎となることから、正しく判別(区分)する必要があります。
この点について、厚生労働省の通知によって「通常の報酬」「賞与に係る報酬」「賞与」の区分の取扱いが明確化されています。
具体的な内容は次のとおりです。
- 「通常の報酬」「賞与に係る報酬」「賞与」は、名称の如何にかかわらず、2以上の異なる性質を有するものであることが諸規定または賃金台帳等から明らかな場合には、同一の性質を有すると認められるものごとに判別する。
- 「賞与」について、7月2日以降新たにその支給が諸規定に定められた場合には、年4回以上の支給が客観的に定められているときでも、次の定時決定(7月、8月、9月の随時改定を含む)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、賞与として取り扱う。
そもそも年4回以上賞与を支給しているような中小企業は少ないと思われますが、こうしたルールがあるということは押さえておきましょう。