(1)最近の侵入の手口
ひと口に侵入窃盗といっても、実際に侵入する際の手口はさまざまです。最近の主なものを挙げると次のとおりです。ガラス破り | 窓ガラスの鍵の周辺を破壊して、そこから手や工具を入れて解錠して侵入する。防犯ガラスや防犯フィルム等の対策を施していない通常のガラスであれば、わずか数秒で破られてしまう |
無締り(無施錠) | 施錠されていない出入り口や窓から侵入する手口 |
施錠開け(錠破り) |
・ピッキング…ピックという特殊工具を使って、ディスクシリンダー錠を解錠する ・サムターン回し…ドリルで穴を開けるなどして、ドアの内側のサムターン(ドアロック用つまみ)を回して解錠する ・カム送り解錠…シリンダーを浮かし、そこから特殊な工具を挿入して解錠する ・ドアのこじ破り…ドアの隙間にバールなどの工具を押し込み、力ずくでドア錠を破壊する |
(2)どんな対策が有効か
侵入盗犯は、解錠しやすい鍵、侵入が容易な事務所等に狙いを定めますから、いかに解錠・侵入のハードル(解錠・侵入に要する手間と時間)を高くするかということが重要なポイントになります。当たり前のことができていないために、大きな代償を払うという例は少なくありません。確実な施錠は、少しの手間で、最も効果が見込める防犯対策です。
どんなに対策を施したとしても、肝心の出入り口や窓が無施錠ではまったく意味がありません。侵入盗犯の格好の標的となってしまいます。
特に、めったに使わない出入り口や窓は盲点になりがちです。夏季休業前には、すべての出入り口や窓の施錠を複数人で確認するようにしましょう。
補助錠を設置するのも有効な対策です。単純に考えれば、補助錠によって鍵が2つになると、侵入する手間も2倍になりますから、侵入盗犯に狙われにくくなる効果が期待できます。
③防犯フィルムの活用…窓の対策防犯ガラス(数枚のガラスの間に多層の中間膜を挟んだ多層構造のガラス)に交換したいところですが、工事が必要で時間と費用もかかりますので、次善の策としては、防犯フィルム(透明または半透明のフィルム)を貼るのが有効です。
また、窓ガラスの破壊や不審者を検知して警告音を発する防犯商品などもあります。
現在の鍵がシンプルなもの(防犯性能が低いもの)である場合には、防犯性能の高い部品に交換したり、防犯用のカバーや部品を取り付けたりするほか、鍵そのものを防犯性の高いものに代えましょう。
⑤防犯カメラ(監視カメラ)の設置…出入り口等の対策受付や出入り口などの侵入経路となり得る場所、重要書類やデータの保管場所などに設置すれば、防犯性や犯罪(侵入盗)に対する抑止力を高めることができます。