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長期休暇の前に会社の防犯対策を万全に!

2024年8月の総務豆知識

長期休暇の前に会社の防犯対策を万全に!
最終更新日:2024年7月29日
7月~8月にかけては、全社あるいは事業所単位で一斉に夏季休業を実施する会社も少なくないと思われます。
休業にあたっては、防犯という観点から、社内の現金・有価証券、重要書類、情報機器・端末、その他貴重品類の管理、出入り口の施錠等に細心の注意を払う必要があります。
そこで、長期休暇前の会社の防犯対策を確認してみましょう。

(1)最近の侵入の手口

ひと口に侵入窃盗といっても、実際に侵入する際の手口はさまざまです。最近の主なものを挙げると次のとおりです。
ガラス破り 窓ガラスの鍵の周辺を破壊して、そこから手や工具を入れて解錠して侵入する。防犯ガラスや防犯フィルム等の対策を施していない通常のガラスであれば、わずか数秒で破られてしまう
無締り(無施錠) 施錠されていない出入り口や窓から侵入する手口
施錠開け(錠破り)

・ピッキング…ピックという特殊工具を使って、ディスクシリンダー錠を解錠する

・サムターン回し…ドリルで穴を開けるなどして、ドアの内側のサムターン(ドアロック用つまみ)を回して解錠する

・カム送り解錠…シリンダーを浮かし、そこから特殊な工具を挿入して解錠する

・ドアのこじ破り…ドアの隙間にバールなどの工具を押し込み、力ずくでドア錠を破壊する

このほかにも侵入手口はありますが、これら「ガラス破り」「無締り(無施錠)」「施錠開け(錠破り)」が、事務所荒らしの代表的な侵入手口と考えられます。

(2)どんな対策が有効か

侵入盗犯は、解錠しやすい鍵、侵入が容易な事務所等に狙いを定めますから、いかに解錠・侵入のハードル(解錠・侵入に要する手間と時間)を高くするかということが重要なポイントになります。
とはいえ、自社ビルなのか、雑居ビルの一室なのか、マンションの一室なのか、自宅兼用なのか、また現状の防犯レベル等によっても、自ずと求められる対策は異なります。また、当然のことながら、十分な時間と費用をかければ、セキュリティレベルは確実にアップします。
以下、目前に迫った夏季休業前の防犯という視点から、すぐに対応できて効果も見込める対策を紹介しましょう。
①確実な施錠…出入り口、窓の共通の対策

当たり前のことができていないために、大きな代償を払うという例は少なくありません。確実な施錠は、少しの手間で、最も効果が見込める防犯対策です。
どんなに対策を施したとしても、肝心の出入り口や窓が無施錠ではまったく意味がありません。侵入盗犯の格好の標的となってしまいます。
特に、めったに使わない出入り口や窓は盲点になりがちです。夏季休業前には、すべての出入り口や窓の施錠を複数人で確認するようにしましょう。

②補助錠の活用…出入り口、窓の共通の対策

補助錠を設置するのも有効な対策です。単純に考えれば、補助錠によって鍵が2つになると、侵入する手間も2倍になりますから、侵入盗犯に狙われにくくなる効果が期待できます。

③防犯フィルムの活用…窓の対策

防犯ガラス(数枚のガラスの間に多層の中間膜を挟んだ多層構造のガラス)に交換したいところですが、工事が必要で時間と費用もかかりますので、次善の策としては、防犯フィルム(透明または半透明のフィルム)を貼るのが有効です。
また、窓ガラスの破壊や不審者を検知して警告音を発する防犯商品などもあります。

④鍵の防犯性能の向上(交換等)…出入り口の対策

現在の鍵がシンプルなもの(防犯性能が低いもの)である場合には、防犯性能の高い部品に交換したり、防犯用のカバーや部品を取り付けたりするほか、鍵そのものを防犯性の高いものに代えましょう。

⑤防犯カメラ(監視カメラ)の設置…出入り口等の対策

受付や出入り口などの侵入経路となり得る場所、重要書類やデータの保管場所などに設置すれば、防犯性や犯罪(侵入盗)に対する抑止力を高めることができます。

以上、夏季休業前の防犯対策を紹介しました。手間や予算の都合もあると思いますが、被害に遭ってからでは取り返しがつかないので、できる範囲で対策に取り組みましょう。