最終更新日:2024年1月29日
日本国憲法第28条は、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」と定めています。
このことから、労働者が団結し、使用者と団体交渉を行ない、ストライキ等の団体行動をする権利は、憲法により保障されています。
労働組合は、「労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」です。労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るために活動・交渉等を行ないます。
昨年12月20日に、厚生労働省より「令和5年労働組合基礎調査の概況」が公表されました。
この労働組合基礎調査は、労働組合、労働組合員の産業、企業規模、加盟上部組合別の分布等の実態を明らかにするため、すべての労働組合を対象として、毎年実施されているものです。
以下、調査結果のポイントを確認してみましょう。
(1)労働組合・労働組合員の状況
2022年と2023年の各6月30日現在における、労働組合と労働組合員の状況は次のとおりです。
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2022年 |
2023 |
労働組合数 |
23,046組合 |
22,789組合 |
労働組合員数 |
9,992千人 |
9,938千人 |
推定組織率 |
16.5% |
16.3% |
労働組合数は、単一の労働組合を対象としています。推定組織率は、雇用者数に占める労働組合員数の割合です。
(2)パートタイム労働者の状況
2022年と2023年の各6月30日現在における、パートタイム労働者の労働組合員の状況については、次のようになっています。
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2022年 |
2023年 |
労働組合員数 |
1,404千人 |
1,410千人 |
全労働組合員数に占める割合 |
14.1% |
14.3% |
推定組織率 |
8.5% |
8.4% |
ここでパートタイム労働者とは、その事業所の一般労働者より1日の所定労働時間が短い労働者、1日の所定労働時間が同じであっても1週の所定労働日数が少ない労働者、事業所においてパートタイマー等と呼ばれている労働者をいいます。
(3)企業規模別の状況
2023年6月30日現在における、民間企業の従業員規模別の状況は次のとおりです。従業員数1,000人以上の大企業の労働組合員数が、全体の約3分の2を占めています。
企業(従業員)規模 |
労働組合員数 |
構成比 |
1,000人以上 |
5,846千人 |
67.3% |
300~999人 |
1,087千人 |
12.5% |
100~299人 |
545千人 |
6.3% |
30~99人 |
167千人 |
1.9% |
29人以下 |
21千人 |
0.2% |
その他 |
1,026千人 |
11.8% |
「その他」には、複数企業の労働者で組織されている単位労働組合と、企業規模が不明の労働組合員数を含みます。
2023年の「労働組合基礎調査」の結果に対する連合(日本労働組合総連合会)の事務局長談話では、「組合員数の減少を真摯に受け止め、減少要因の把握、組織強化を通じた組合員減少に歯止めをかける取り組みを進める。」としています。