公開日:2025年2月27日
(1)65歳までの高年齢者の雇用の原則
高年齢者雇用安定法(正式名称は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」)では、定年年齢を65歳未満に定めている企業(事業主)に対して、次のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じることを義務づけています。
① |
定年の廃止 |
② |
65歳までの定年の引上げ |
③ |
65歳までの継続雇用制度の導入 |
このうち、③の継続雇用制度には、本人が希望すれば定年後も引き続いて雇用する「再雇用制度」や「勤務延長制度」などがあります。
そして継続雇用制度を導入する場合は、希望者全員を対象としなければなりません。希望者全員とは、定年後も引き続き働きたいと希望するすべての人です。
(2)高年齢者雇用の経過措置
上記の希望者全員の継続雇用については経過措置があり、2013年3月31日までに継続雇用制度の対象者を限定する基準を労使協定で設けていた場合には、対象者を限定する基準を適用することができます。
具体的には、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の人について、継続雇用制度の対象者を限定することができます。
(3)経過措置の廃止
対象者を限定できる経過措置は、2025年3月31日をもって終了します。
そのため、2025年4月1日以降は、高年齢者雇用確保措置として、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。
① |
定年制の廃止 |
② |
65歳までの定年の引上げ |
③ |
希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入 |
なお、経過措置の終了によって、2025年4月1日以降、65歳までの定年の引上げが義務になるわけではありません。求められるのは、あくまで希望者全員の継続雇用です。
特に現在、継続雇用の対象者を限定している企業は、経過措置の終了に伴い就業規則の変更が必要となります。
不明な点は都道府県労働局やハローワークにも相談するなどして、適切な措置を講じるようにしてください。