落とし穴3. 最後の最後には介護費用がかかる
■年間の介護費用→約100万円
2000年には218万人だった要介護者が、2012年には533万人と、約10年で2倍以上に増加しています。さらに、団塊世代が介護を必要とするようになる2025年には、今の介護パワーでは賄いきれなくなるという予測もあります。
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自宅で居宅介護をするにせよ、施設に入るにせよ、介護費用は年100万円程度かかるのが一般的。親の介護のために子どもが職を離れる「介護離職」ともなれば、親子ともに資金面で窮してしまう可能性もあります。
人生の後半戦の大きな出費に備えて、目安として5年分の介護費用の500万円程度を手元に残しておくと安心です。
落とし穴4. 年金給付額が下がる可能性がある
■今の受給見込額は確定ではない
増加し続ける年金受給者数に対応するために現役世代の保険料を上げると、年間給与の25%まで引き上げることになります。そこで、2004年の年金改正法で、保険料の引き上げは18.3%で打ち止めとし、財政が健全化するまでは財源の範囲内で収まるように、給付を実質的に目減りさせていくことに。
目減り率は、経済が再生する想定の場合、2014年と比べて厚生年金が2~5%、基礎年金が29~30%程度になると予測されています(下図参照)。
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この影響は現在65歳の人も受けることになります。今の受給見込額は確定ではないということを、理解しておきましょう。
落とし穴5.何歳まで生きるのかわからないので、必要費用も多めの見積もりが必要
■女性の平均寿命(2016年)→87.14歳
1947年の日本人の平均寿命は、50歳を少し超える程度でした。しかし、2016年には男性が80.98歳、女性が87.14歳と、高齢化が著しく進んでいます(厚生労働省「簡易生命表」)。また平均寿命とともに発表される「生存割合」でみると、75歳まで生きる割合は男性が75.1%、女性が87.8%となっています。
長生きすれば楽しみが増える分、出費も増えます。また、女性は男性よりも長生きなので、夫に先立たれた後、遺族年金があっても年金給付が1人分のため、家計が切迫してしまうケースもあります。こういった長生きへのリスクには、保険などで備えることも必要といえます。
定年後の働き方は人それぞれです。継続雇用やUターン・Iターン、もちろん起業という選択肢もあります。悠々自適はありえないとしても、自分にあった働き方で充実した老後を過ごしたい。そのためにも、早めに定年後のリスクを把握して近い将来の生活をイメージする。お金の面でも気持ちの面でも、早めの備えをしておくに越したことはありません。
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