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「ライフハッカー・ジャパン」 で連載中の「印南敦史の毎日書評」から、105冊の書評を厳選し掲載した書籍
『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』は、目利きによる軽快な書評を読みながらさまざまなビジネススキルを学ぶことができるという、実践的なスキル本であり、ブックガイドです。
連載開始から10年間で1万冊を読破し、本当に役立つ本を厳選してライフハッカーの読者に紹介してきた著者の印南敦史さんに、これまでどのようなねらいで本を選び、書評してきたのかを聞きました。
※『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(印南敦史著)から「はじめに」を掲載します。
紹介した本の多くは10年経っても説得力を失っていない
ビジネスパーソンのためのニュースメディア「ライフハッカー・ジャパン」で連載「印南敦史の毎日書評」がスタートしたのは、2012年の8月。以来、「ビジネスパーソンがすぐ役立てられそうなもの」であることを念頭に置き、おもにビジネス書、ときには人文書や自己啓発書などを含めたさまざまな書籍をご紹介してきました。
もう10年も経ったとは驚くしかありませんが、改めて振り返ってみた結果、あることに気づきました。ご紹介してきた書籍の大半が、(ビジネス書の場合はとくに)普遍的な内容であるということ。もちろん、その時代にしか通用しないタイプのものもあるとは思います。けれど説得力を持つ書籍は多くの場合、10年の歳月を経ても説得力を失っていないのです。
それは、「時代がどれだけ変わろうと、ビジネスパーソンの悩みは普遍的である」といいかえることもできるのではないでしょうか? 事実、どれだけテクノロジーが発展しようとも、それらと向き合う生身の人間は人間でしかありません。
どんな時代になったとしても、人は仕事のことで悩むし、泥くさい人間関係にも悩まされるし、将来のお金のことや、パートナーや家族との関係、健康のことも気になるということ。ネガティブな意味ではなく、それが“普通”だと思うのです。
だとしたら、この10年に発表してきた原稿を見なおしてみる価値があるのではないか? そんな思いから誕生したのが本書です。
ライフハッカー・ジャパン編集部の方々、そして日本実業出版社編集部の方々に協力していただきつつ、10年分の書評のなかからテーマ分けをし、各テーマごとに3冊を選書したもの。ただし、単に「売れた本」だけを選んでいるわけではなく、ましてや個人的な思いを重視しているわけでもなく、ライフハッカー・ジャパンの読者に響きそうな書籍を厳選しています。
ビジネスパーソンが不安から抜け出す糸口に
ちなみに僕は、ライフハッカー・ジャパンの書評にはなるべく主観を入れないように意識してきました。ニュースメディアである以上、そこに個人的な主観は必要なく、あくまで「こういう本がありますよ」と提案をする立場でいるべきだと考えてきたからです。
だからそのぶん、肩肘を張ることなく気楽に読んでいただけるのではないかと自負しております。
全35テーマ、105冊を紹介していますが、ぱらぱらとページをめくっているときにちょっと気になったとか、なんとなく興味を引かれたというページを読んでみるだけでも、相応のビジネススキルを学ぶことができるはず。
なお各章末には、ライフハッカー・ジャパンの編集長である遠藤祐子さんと僕による各ジャンルの傾向も掲載されています。これは対談をベースにしたもので、本書の刊行に併せ、全文がライフハッカー・ジャパンで読めるようにもなっているはずです。そちらもぜひチェックしてみてください。
いつの時代もビジネスパーソンを悩ませる不安や苦悩から抜け出すための糸口を、ここで紹介した書籍のなかから見つけ出していただければ光栄です。
2022年11月
印南敦史
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー・ジャパン」で書評欄を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間1000冊以上という驚異的な読書量を誇る。おもな著書に『遅読家のための読書術』(PHP研究所)などがある。