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【はじめに公開】『読んだらきっと推したくなる!がんばった15人の徳川将軍』

2023年5月15日更新

【はじめに公開】『読んだらきっと推したくなる!がんばった15人の徳川将軍』

家康だけじゃない! 歴代・徳川将軍の奮闘記を一気読み

PICK UP書籍:がんばった15人の徳川将軍

小学生から大人まで、どんな人でも楽しめる日本史エンタテインメント『読んだらきっと推したくなる! がんばった15人の徳川将軍』。著者の歴史大好きお笑い芸人、房野史典(ぼうのふみのり)氏が同書の面白さをプレゼンします!(「はじめに」により転載)

かんで、くだいて、徳川のストーリーをお届け!

今から、この本をプレゼンしますね。

本の“なんとなく”を知らなきゃ、買うのにも勇気がいりますよね。だから、わざわざこの本を手に取ってくれた優しいあなたに、まずは本の概要(がいよう)をお伝えします。

「いや、もう買っちゃってるのよ」という素敵(すてき)なあなた。本当にありがとうございます。紙幅に制限がないのであれば、「ありがとうございます」の後ろに「!」を延々と書き続けたい。それほど感謝(かんしゃ)しております。

購入していても借りていても、とにかくこの本にたどり着いたあなたに感謝しながら、さっそくプレゼンに移っていきましょう。

ひと言で言えば、本書は歴史の解説本です。「え、かたそう…」と怯(ひる)んでしまった方がいるなら、今から恋愛小説に切り替えましょう。と、いうことも難しいので、まぁいったん呼吸を整えてください(乱れてないでしょうが)。

この本はね、ずっとこのままです。

この語り口で解説しながらオール現代語訳で突っ走り、かんで、くだいて、歴史をストーリーでお届けする解説本。下は小学生、上は生きてる限り誰でも読める、「房野さんの文章はホントにわかりやすくて頭に入ってくるわぁ」と誰かが言っていた、とにかくとっつきやすい、そんな本。入門書of入門書ですね。

で、そんなくだけた歴史本で取り上げるのが、

15人の徳川将軍、です。

じつは面白い「じゃないほう将軍」の話

では、ここであなたに質問です。将軍言えるかな?

少しポケモン感が出てしまいましたが、いかがですか? 何人の徳川将軍をご存知でしょう? 本に落とした目線を上に向け、少し考えてみてください。

7人以上浮かんだ方。すごい。すでに江戸時代博士です。0人だった方。ようこそ本書へ。この本はあなたのためにあります。

15人すべてを答えた方。「はじめに」で、この本を卒業していいかもしれません(でも読んでほしい)。

おそらく、多くの方が1~6人だったんじゃないでしょうか。そして多分、家康(いえやす)、家光(いえみつ)、綱吉(つなよし)、吉宗(よしむね)、慶喜(よしのぶ)あたりの名前が浮かんだという人、多いと思います。

これはね、必然です。教科書には太字で登場するし、メディアで取り上げられる回数が多いのもこの5将軍。たしかに彼らの話はおもしろく、たとえ歴史に興味がなくとも、印象に残りやすい5人なんですよね。

それじゃあ、あとの将軍たち、つまり“有名じゃない将軍”の話はつまんないのかというと、これがね、

おもしろいんです。のけ反るくらい。
江戸時代は「平和な時代だった」と言われますが、これは「戦争がなかった」という意味で、「問題がなかった」ということじゃありません。むしろ平和になればなるほど社会が発達し、財政(ざいせい)、経済(けいざい)、資源(しげん)、貿易(ぼうえき)、貧困(ひんこん)、災害対策(さいがいたいさく)などなど、解決しなきゃいけない問題が爆発的に増えていくわけです。そこにですよ……

家臣との人間関係、後継者(こうけいしゃ)争い、恋愛事情なんかが絡んできて、常に何かしらの大ピンチを抱えていたのが、徳川将軍たち。プラスα……

幼くして就任した将軍、身体に悩みを抱えた将軍、能力は高いのに周囲からとことん嫌われた将軍、など。

15人が15人とも、本人特有の難問と格闘していて、全将軍、見応えしかないんです。さらに……

新井白石(あらいはくせき)、田沼意次(たぬまおきつぐ)、井伊直弼(いいなおすけ)、などなど。一般知名度が低い将軍のときには、キャラの濃い有名な家臣が必ず登場するので、江戸時代に盛り下がる時期はありません。江戸には捨てるところがないんです。あんこうです。

というわけで、本書はひと言で言うと歴史解説本だけど、もう少し詳しく言うと、

“15人の徳川将軍を通して、江戸時代の流れがわかりやすく頭に入ってくる本”

ってことになります。いかがでしょう。なんとなく伝わりましたか?

歴史は苦手だ、という方。同じような名前、見慣れない用語。あなたが歴史を遠ざける理由は、いろいろあると思います。

でもね、細かいとこはすっ飛ばして大丈夫。歴史ってのは、言い換えれば“人間の物語”です。映画、ドラマ、アニメ、漫画など、ストーリーのあるエンタメにハマったことがある人なら、誰でも楽しむことができる。それが歴史だと思うんですね。歴史の大きなストーリーを味わう喜び、どうかこの本で体験してみてください。

読んだらきっと推したくなります

歴史が好きだ、という方。家康はホントに忍耐(にんたい)強くて、棚ぼた的に天下を取ったのか?  綱吉が生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)を出したホントの目的とは? 慶喜はなぜ大政奉還(たいせいほうかん)したのか? あなたが知っている答えと、まるで違う話が出てくるかもしれません。まもなく始まる本編で、どうぞ確認してみてください。

経済に関心がある、という方。江戸時代を語るうえで、切っても切り離せないのが経済です。例えば、当時のインフレ・デフレに、将軍と家臣がどう挑んでいったのか? そのあたりにも注目してみてください。

歴史に詳しい、という方。若輩者(じゃくはいもの)ではございますが、歴史学者・研究者の先生や、偉大な先人の肩に登り、本書を執筆しました。まだ彼方(かなた)は見渡せておりませんが、「こんな本を書くやつがいるんだ」と、記憶に留めていただければ幸いです。

子どもたちへ。「ムズかしいなぁ…」というところがあったら、お家の人や、近くの大人の人に質問してみてください。「おもしろい!」と思う将軍やお話を見つけたら、友達でも家族でもいいので、だれかに教えてあげてください。

そんなことを繰り返しているとね、自然と本の内容が頭に入ってきます。すると………ちょっと長くなりそうだから、続きは「おわりに」で。最後まで読んでみてね(中身をすっ飛ばして「おわりに」だけを読むのは……ま、ありです)。

では、お届けしましょう。がんばった15人の徳川将軍を。彼らが何をがんばり、どれに心が折れ、時代をどう作っていったのか。読んだらきっと、推したくなります。
著者プロフィール:

房野史典(ぼうのふみのり)
1980年岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将&幕末好きで、歴史好き芸人 ユニット「ロクモンジャー」を結成するなど、歴史普及活動にも意欲的。書籍や講演会で史実にもとづき面白おかしく老若男女に歴史の楽しさを伝えている。子どもたちに歴史の面白さを教える授業(YouTube『スタフリ』『探究学舎』など)も好評。歴史専門家からの信頼も厚い。著書に『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』(幻冬舎)、河合敦氏との共著『面白すぎる!日本史の授業』(あさ出版)などがある。

2023/4/18発行
四六判/並製
384頁

がんばった15人の徳川将軍

260年以上続いた江戸時代が楽しく学べて、どんな人でも歴史が大好きになる本。家臣からあだ名をつけられても、振り回し振り回されながら彼らなりに懸命に生きた、人間味あふれる15人の将軍たちの生きざまが面白おかしくスルスル読める1冊。
著者:房野史典
価格:1,595円(税込)
ISBN:4-564-06005-2
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