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創作分野には映画やテレビドラマ、演劇や小説、マンガ、アニメ、ゲームに自分史やエッセイなど、様々なジャンルがあります。しかし、これだけ創作のジャンルがあっても、共通する「表現技術」があります。そして、「表現技術」は誰にでも身につきます。
今回は、新井一樹氏の著書
『シナリオ・センター式 物語のつくり方』から、あなたの物語をより面白くするために、「どう書くか」がいかに大切かをお教えします。
あなたのための創作講座が、始まります
脚本や小説を書こうとして、一番困ることは何ですか?
いいアイデアが、なかなか浮かばない。
コンクールに挑戦しても、思うような結果が出ない。
最後まで書けるけど、いまいち面白くない。
アイデアは思いつくのに、エンドマークまで書けない。
書きたい気持ちはあるのに、何から始めていいかわからない。
創作をしていれば、誰にでも悩みはあります。私が働いているシナリオ・センターからは、第一線で活躍する脚本家や小説家が、700名以上も誕生しています。ですが、創作に対して悩みのない方は、一人もいません。
プロでも悩むのです。あなたが悩んでしまうのは、当然です。
そこでこれから、シナリオ・センター式の物語のつくり方をお伝えします。あなたの頭の中に「創作の地図」をつくる創作講座です。創作の地図があれば、エンドマークという目的地まで、何を考えればいいのか、どう書けば面白くなるのかわかります。
あなたも、プロのように「正しく悩む」ことができるようになります。
あなたにぴったりな創作講座
さっそく創作講座を始めましょう!
これを読んでいる方の中で、日頃から創作をされている方はいますか? 手を挙げてみてください。
けっこう、いますね。私には見えます。講座ですから、みなさんの姿を思い浮かべながら進めていきます。
すでに創作を始めている方は、「もっとうまく書けるようになりたい」という表情をされていますね。コンクールに挑戦するたびに、ご自分の名前を探しても見当たらず、落ち込んでしまうこともあったでしょうか。
ぜひ、この講座を受けてください。創作の地図が手に入れば、あなたが、どこでつまずいているのかがわかります。コンクールでも、いい結果が出ます。
「物語を書いていたけど、しばらく遠ざかっていた」という方もいらっしゃるようです。物語の構想を練って、書き始めてみるけれど、筆が進まない。そんな方こそ、騙されたと思ってついてきてください。あなたに才能が足りないのではなく、これまでのやり方が間違っていただけだとわかります。
「創作は未経験だ」という方はどうでしょう。やはり、いらっしゃいますね。物語をつくりたいと思っても、どこから手をつけていいのか、わからないものです。ドラマを観ては、もっとこうすれば面白いのに、と考えてみたり、思いついたアイデアをメモアプリなどに打ち込んではみるけれど、そこまで、という感じでしょうか。
そんな方でも、物語を書き上げることができます。安心して、ご参加ください。あなたのアイデアから、誰かの心に残る物語が生まれます。
「何を書くか」はあなた自身の中にある
本書の目的は、書けないから書けるへ、いまひとつの評価から満足のいく評価へと、みなさんの変化をお手伝いすることです。
では、どうやってお手伝いするのか、を説明する前に整理しておきたいことがあります。それは、物語のつくり方は「何を書くか」と「どう書くか」という、2つの要素からできているということです。どちらかが欠けてしまっては、うまくつくれません。片輪でもパンクをしたら、自転車が進まないのと同じです。
「何を書くか」というのは、作家であるみなさんの内側にあります。
「書く」というのは、コミュニケーション手段の1つです。あなたが日々暮らす中で、あなた自身について、人生や社会について、そしてこの世界について感じたことを、誰かに伝えたいからこそ、物語を書くわけです。
「何を書くか」は、あなただけが持つ、あなたの「作家の眼」が決めていくことです。 誰にも教えることはできません。誰かに教わろうとしてもいけません。あなた自身が磨くべき、大切なものです。
「どう書くか」は表現技術
「どう書くか」というのは、物語をつくるための表現技術を意味します。
「え? 物語をつくるための技術なんてあるの?」と思うかもしれません。スポーツであれば、ボールの打ち方や投げ方に技術があることはイメージできます。それに比べて創作は、頭ひとつでできるため、技術のイメージがしにくいようです。ですが、イメージがしにくいだけで、事実、表現技術はあるのです。技術なので「どう書けばあなたの作品がもっともっと面白くなるのか」、お伝えすることができます。しかも技術は、誰にでも身につきます。
本書では、物語を「どう書くか」という表現技術を、わかりやすくお伝えします。それが、シナリオ・センター式の創作のお手伝いです。
面白い物語をエンドマークまで書ききるために、あなたの作家の腕に、表現技術をつけていきましょう!
「どう書くか」が、あなたの書きたい世界を広げてくれる
「何を書くか」×「どう書くか」= 面白い物語
このとっても簡単な公式を、頭に叩き込んでください。そこからスタートです。あなたの机の前の一番目立つところに貼ってもいいくらいです。なぜなら、多くの方が 「どう書くか」という技術を、ここまで言っても軽視するからです。
物語をつくるという行為が、センスや感性だという思い込みがあるからでしょうか。もちろん、センスや感性は必要です。ですが、表現技術は、あなたのセンスを発揮するためにも必要なのです。技術が中途半端なまま創作に向かうから、結果が出ないのです。
創作の技術なんて身につけたら、人と同じものしか書けなくなると思って、手を出さない方もいます。大きな間違いです。公式を思い出してください。「何を書くか」に「どう書くか」が掛け算となって、初めて物語は成立します。
もしも、ありふれた作品しか書けないとしたら、それは、技術と作家性の両方が足りないのです。技術だけのせいではありません。
ちなみに、作家性は、技術力がつけばつくほど伸びます。表現力がつけば、表現の幅と深さのレベルが変わるからです。技術の向上によって、作家として見えてくる景色も、描ける世界も変わります。
感覚に頼って書き続けていたら、人の心に残る物語を、コンスタントに生み出すことはできません。
「どう書くか」という技術が、あなたの創作の領域を広げてくれます。
1980年生まれ。東京都出身。日本大学大学院芸術学研究科修了。芸術学修士。祖父は、シナリオ・センター創設者の新井一。同社にて、シナリオライター・脚本家、小説家などを養成する講座の改善、映画やテレビドラマ、ゲームなどの制作会社にて、プロデューサーやディレクター向けの研修開発と講師を担当。2010年より、想像力と表現力の欠如で起きる社会課題を解決するプロジェクト「一億人のシナリオ。」を統括。小学校から企業など約200団体、10,000名以上に講座や研修を実施。シナリオ・センター取締役副社長。